ヒーターとは?
工業用ヒーターは、気体(空気)、液体(水、油など)、固体(金属)の加熱、保温、乾燥、溶解などに使用されます。 用途に応じた加熱温度制御ができ、幅広いジャンルの生産現場や製造装置に不可欠な存在となっています。
電気エネルギーを熱エネルギーに変換することで、熱伝導率の高い金属製のプレートや容器などの被加熱体を介して、パイプやノズル、パネルなどの工業製品を加熱します。
二酸化炭素を出さずに発熱させられるので、クリーンで環境にやさしい、省エネな熱源として注目されています。 加熱体や用途、使用環境などによりさまざまな種類のヒーターがあります。
ヒーターの原理
工業用ヒーターには、電気エネルギーを使用する電磁波・誘導・抵抗・アークがあり、抵抗は発熱体(ニッケル-クロム系・鉄-クロム-アルミニウム系・高融点金属・非金属など)に電流を流し、熱を発生させる加熱方式です。
消費電力がすべて熱に変換され、高効率かつシンプルで広く普及しています。計測や管理が簡単で温度コントロールも正確にできます。
ヒーターの分類
面状ヒーター | 筒状ヒーター | その他ヒーター |
---|---|---|
フィルム | シーズ | コード |
ラバー | カートリッジ | バンド |
セラミック | ノズル | 鋳込み |
プレート | – | PTC |
代表的なヒーターの構造
■シリコンラバーヒーター(面状)
上図はシリコンラバーヒーターの基本構造です。シリコンラバーシート(中間ガラスクロス)に発熱線をパターン化し、もう1枚のシートを加硫接合で絶縁した構造です。
シリコンラバーは柔軟性に優れ、曲面や円筒などの被加熱体にもフィットします。 標準厚みは1.5㎜と薄く、短時間で昇温可能で、標準仕様では200℃の連続使用が可能です。
また、発熱線のパターン化で円形、異形、穴明きなど被加熱体の形状に合わせた設計ができます。
■カートリッジヒーター(筒状)
上図はカートリッジヒーターの基本構造です。
基本構造はステンレス製シースを使用し、コアに発熱線を等間隔に巻き、マグネシアで絶縁します。シースを減径して内部密度を高めると、高温使用にも耐えることができます。
温度は発熱線の抵抗値と巻き数、温度分布は巻くバランスで調整が可能です。
■バンドヒーター(その他)
上図はバンドヒーターの基本構造です。
基本構造は絶縁層に耐熱マイカ板を使用し、ニクロム線を配線、マイカ板で絶縁後、その外周を耐熱金属板で外装されています。円筒形状の被加熱体に取り付けて加熱するヒーターです。
軽量でフレキシブル性に富み、平滑で好接触が確保できるため熱伝導性に優れ、高い加熱効果をあげることができます。
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