磁石の性質

マグネットテクノロジー

磁性材料/磁性体の区分

磁気的な性質を合わせ持つ材料を磁性材料といいます。
例えば「録音用の磁気テープや磁気ディスク」「永久磁石」「力を加えて回転すると電気が発生する発電機」などが身近な使用例として挙げられます。これらは電気と磁気の作用の応用であって、このような機器には必ず磁性材料が使用されています。

一言に磁性材料と言っても「強磁性体」「弱磁性体」「反磁性体」「常磁性体」など様々な特色をもった磁性体があります。

磁性体の種類 性質 磁化イメージ 主な物質
強磁性体 ・外部から磁界を加えると、磁界と同じ方向の強い磁気を帯びる。
・外部からの磁界をゼロにしても強い磁気が残る。

コバルト
ニッケル
常磁性体 ・外部から磁界を加えると、磁界と同じ方向の弱い磁気を帯びる。
・外部からの磁界をゼロにすると磁気がなくなる。
酸素
ナトリウム
アルミニウム
クローム
白金
反磁性体 ・外部から強い磁界を加えると、磁界と反対方向の極めて弱い磁気を帯びる。
・外部からの磁界をゼロにすると磁気がなくなる。
ヘリウム
ネオン
水素



亜鉛
水銀
ビスマス

上区分でおわかりいただけるように、磁力を実用化している工業製品のほとんどは「強磁性体」を磁性材料として使用しています。
当社を含め、磁石販売サイトには製品区分としてよく「ネオジム/サマリウム・コバルト(サマコバ)/フェライト/アルニコ」の区分名が出てきます。
これらはすべて、磁性体となる合金の名称です。
つまり磁石製品は現在
磁性材料(=素材)名由来から製品ジャンル区分されるのが一般的
と理解いただいてよいでしょう。

磁性の原理(電子スピン)

永久磁石の磁気エネルギーは原子レベルのスピン電流が元となっており、外部からのエネルギーを供給しなくても枯渇することはありません。

力の根本になる電子スピンとはどういうものでしょうか?電子スピンとは素粒子の持つ基本的な性質のひとつで、電子は磁界内で力を受けることが発見され、電子が回転しているように見えることからスピンと名付けられています。

鉄を例にあげると、電子核の周りを電子が右回りのスピンと左回りスピンがそれぞれペア(対)になりながら回ります。
通常、最外殻の価電子の磁気モーメントは打ち消されずに残りますが、磁気モーメントは打ち消し合い消失します。
しかし、鉄の場合、価電子の内側に左回りスピン5、右回りスピン1という変則軌道(3d軌道)を持ち、この軌道が完全に満たされないまま価電子軌道に電子が入ります( 4個の電子はペアを組むことができない)。
3d軌道の電子は結合には寄与せず、磁気モーメントが打ち消されず残ります。
このような電子を不対電子と呼びます。
そして4個の電子は回転方向が同じなので、この分だけ電子磁石としての働きが外に現れることになります。

磁石の基本的性質

そもそも磁石とはどのようなものでしょうか?
鉄をくっつける、南北を指すなど一般的に知られてはいますが、深く調べるとある法則にたどり着き、吸引力(吸い付こうとする力)・反発力の方程式も現れてきます。

磁石には必ずN極とS極が存在します。 逆にN極だけ・S極だけの磁石は存在しません。
そして磁石は異極間では吸引力が働き、同極間では互いに離れようとする反発力が作用します。
また、一旦吸着した磁石を引き離すときの引き離そうとする最大の力のことを吸着力といいます。
 

クーロン力

プラスチック製の下敷きで頭髪をこすり、下敷きを少し持ち上げると髪の毛が下敷きに向って立ったり、吸い付いたりします。
これは下敷きと髪の毛の間に引き合う力が働いているからです。
この引き合う力の根源が「電荷」と呼びます。
髪の毛と下敷きを摩擦することにより、一方がプラスの電荷に他方がマイナスの電荷を帯びます。
プラスの電荷とマイナスの電荷は引き合うので、髪の毛と下敷きが引き合うこの現象をクーロン力といいます。

吸引力、又は反発力の計算式は次のとおりです。

クーロン力の伝わり方には、規則があります。 クーロン力の大きさは電荷の積に比例し、距離の二乗に反比例します。この規則をクーロンの法則といいます。クーロンの法則というと静電気の力の説明でなされることが多い法則ですが、磁力においてもまったく同じ法則が成立しています。