潤滑の知識

メカトロテクノロジー

▲ PAGE TOP

潤滑剤の分類

気体 空気、ガス
液体 水、潤滑油
半固体 グリース
固体 固体潤滑剤

潤滑油の分類

鉱油(石油系) パラフィン系
ナフテン系
非鉱油(石油)系 合成油(炭化水素系、エステル系、シリコン系、フッ素系…)
動植物油脂

※基油(鉱油、非鉱油)で約9割を占めており、残りは添加剤となっています。

粘度

機械の潤滑には適した粘度があります。
例えば、早く回る機械には低粘度の潤滑油、高負荷がかかる機械には高粘度の潤滑油が適しています。
・粘度が高い:抵抗が大きくなるが、油膜が切れにくくなる
・粘度が低い:抵抗は小さいが、油膜が切れやすくなる

代表的な基油の性状・性能

基油の種類 鉱油系 合成油系
ナフテン系 パラフィン系 ジエステル ポリオールエステル ポリαオレフィン アルキルジフェニルエーテル シリコーン パーフルオロポリエーテル ポリアルキレングリコール
構造式(代表例) 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16
略称 MO MO (DOS) POE PAO ADPE (PMS) PFPE PAG
性状︵代表例︶ 密度
(g/cm3)
15℃ 0.92 0.88 0.92 0.96 0.83 0.89 1.00 1.91 0.93
動粘度(mm2/s) 40℃ 95.1 99.0 11.9 32.4 30.1 97.0 74.1 168.0 56.1
100℃ 7.82 11.1 3.30 5.91 5.76 13.2 29.3 18.2 10.8
粘度指数 2 97 149 128 137 124 407 121 187
流動点(℃) -22.5 -12.5 <-60 -50 <-60 -40.0 <-50 -30 -42.5
引火点(℃) 216 272 221 282 240 286 275 >300 220
性能 潤滑性
耐熱性
酸化安定性
低温性
対ゴム性
対樹脂性

◎:優れている ○:良好 △:普通 ✕:劣る

参考:日本トライボロジー学会グリース研究会編:潤滑グリースの比較と応用 養賢堂(2007)16

添加材の種類・機能

酸化防止剤 オイルの酸化を防止し、オイル寿命を延ばす
防錆剤 水や酸素から守り、錆を防止する
消包材 泡の発生を抑制し、発生した泡を消化する
清浄分散剤 スス・汚れを粗い落とし、オイル中に分散させる
腐食防止剤 鉄以外の金属の腐食を抑止
乳化剤 水と油を混ざりやすくする
油性向上剤 金属表面への付着力を高め、油膜を強くする
粘度指数向上剤 粘度の温度変化を小さくする
摩擦調整剤 金属表面に付着・反応し、摩擦係数をコントロールする
極圧添加剤 強い荷重がかかった際に、焼き付きを起きにくくする
流動点硬化剤 低温でも固まらないようにする

グリースの構成

基油(鉱油・非鉱油)+添加剤+増ちょう剤で構成されており、基油+添加材で8~9割、増ちょう剤で1~2割となっています。増ちょう剤が多いほど固いグリースとなります。

潤滑油と比較したグリースのメリット/デメリット

メリット デメリット
  • ・半固体である
  • ・漏れ・液だれ・飛散が少ない
  • ・簡易的なシールで封止可能
  • ・オイルタンク・循環装置が不要
  •  →少量で潤滑できる
  • ・固体潤滑剤の配合が可能
  •  →極圧性の向上など調整ができる
  • ・摩耗粉などの異物が除去されにくい
  • ・冷却性が少ない
  • ・高速高回転に不利

 

▼関連記事

 

▼関連製品・他

 

▼お問い合わせ